ゲーム業界の転職でプラスに評価される本業以外の経験や自己PRとは? | ニダンジャンプ

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ゲーム業界の転職でプラスに評価される本業以外の経験や自己PRとは?

ゲーム業界の転職で評価の対象となる本業以外の経験や取り組みにはどういったものがあるでしょうか?例えば個人でゲームを開発・リリースしている実績があれば高評価ですが、そこまで労力をかけなくとも転職を見据えて取り組めることはあります。また、逆にアピールを控えた方がいいものも。今回はそれぞれの内容と理由を解説します!

染谷翔|株式会社ニダンジャンプ キャリアアドバイザー
ゲーム開発業界でプランナーとして勤務した後、自転車世界一周旅行のブロガーとして数年間活動。帰国後にUnity JapanでUnite Tokyoをはじめとする各種イベント業務のディレクションや運営、Unityユースクリエイターカップ(旧インターハイ)の企画立ち上げや運営等に携わる。2023年に株式会社ニダンジャンプ創設に関わりWebサイトを立ち上げ、サイト運営、求職者の転職サポート等で活動中。

評価される経験・活動

1. 個人制作(ゲーム・3DCG作品・ツール等)


・UnityやUnreal Engine等での自主制作ゲーム
・ゲーム開発に関連するイラストや3DCG、VFXやシェーダー
・BGMやSEなどのオーディオファイル
・アセットストアやBOOTH等での販売・頒布
・コミックマーケットやゲームイベントでの出展活動


本業以外でゲームに関連するコンテンツを制作し、完成・公開していることは大きなアピールになります。年齢が若い方であれば学生時代の作品を紹介してもいいでしょう。

ポイントは、どんな制作物であっても 内容や制作意図をわかりやすく示す・工夫する ことです。例えばゲームなら、資料ではなくプレイアブルなWeb版やYouTube(動画)でのデモのURLを記載するのが効果的です。また、ゲームやコンテンツ内容の説明、開発ツール、開発期間、制作にあたっての工夫や技術的なチャレンジなども付記するとよいでしょう。

映像や音楽ファイルであれば、生データを送るよりYouTube等で用意した方がわかりやすく、また「採用側に配慮してくれている」のが伝わります。

相手に興味を持ってもらうために工夫するのはゲーム開発と同じ。 単に成果物を示すだけではなく「制作意図や目的」「使用したスキルやツール」「販売数・ダウンロード数などの定量化された実績」「身についたスキルや手応え等」といった情報を伝え、個人活動を丁寧にアピールしましょう。

2. 技術ブログや講演実績


・Qiita、Zenn、noteや個人サイト等での投稿(使用ツールや技術の解説、制作手順の共有、トラブル対応や効率化の工夫の紹介)
・講演やLTの実績、インタビュー記事、Docswell, Speakerdeck, SlideShareでのプレゼンスライド公開
・GitHubでのソースコードやプロジェクト公開
・書籍の執筆、研究の発表


制作の背景や学んだことを言語化して伝える力は、現場でも役立ちます。知識を整理して他者と共有する姿勢は多くの開発現場で歓迎されるでしょう。

個人での活動だけでなく、会社員としてイベントや勉強会での講演実績やスライド公開をしてきた実績は「そうした行為を任されてきた」として信頼に繋がります。

3. 勉強会、ゲームジャムやハッカソン、コンテストなどの参加経験


・勉強会や技術イベント、技術カンファレンスへの参加経験
・ゲームジャム、ハッカソンなどの制作イベント参加経験、制作物
・コンテストなどへの参加や受賞経験


勉強会や技術イベントへの参加経験は勤勉な、あるいは社交的な印象を与えます。ゲームジャムやハッカソンへの参加は実績となる制作物が見せられるとよいでしょう。

また、創作に関連するコンテストや大会への参加は、受賞経験がなかったとしても自主性や行動力の表れとして評価される傾向にあります。

4. 転職の動機や今後のキャリアに対する考えを職務経歴書に書く


・今後取り組みたい仕事や業務分野
・応募先に対する志望理由


経験ではなく自己PRの一種ですが、採用側が気になるポイントです。採用にはスキルや経験だけでなく「本人がどうしたいか」も重要なファクターだからです。

今までは小規模なプロジェクトで活躍していて、今後もそうした業務を続けていきたいのか、それとも大規模なプロジェクトに関わりたいか。キャラクターと背景どちらの3DCG制作も行ってきたが、できればキャラクターの方で活躍していきたいか。求職者の 「今後取り組みたい仕事」 を共有することで、採用側が心を動かされることもあるのです。

また、応募先の過去作品、あるいはインタビュー記事や講演などに思い入れがあれば一言触れておくと 「ウチに興味を持っているんだな」 ということが伝わります。

例)
今までクライアントエンジニアを中心にサーバーやグラフィックス表現、ツール開発などに携わってきましたが、今後はグラフィックスエンジニアとしてハイエンドなビジュアル表現の追求に注力し、貴社の『ガチャブレイカーZ』のようなハイクオリティゲーム開発に貢献していきたいです。

それぞれ面接で話題になるケースが多いので見落とされがちですが、 職務経歴書で少し触れておくだけで、読み手の印象が良くなる要素 です。職務要約の締めくくりや、自己PR欄などに書くと収まりも良いでしょう。

評価されない・避けるべき内容

1. 未完成作品や練習・学習用の成果物

・明らかに未完成なもの(形になっていないもの)
・チュートリアル通りでオリジナリティのない練習用・学習用の成果物
・1点のみ、または数が限られていて評価できないイラストやCG、企画書等
・説明や制作意図の欠けたコンテンツ


取り組んだ事実は大切ですが、闇雲に掲載すると完成させる力や工夫が足りないと見なされる可能性があります。

例外として、本職以外の制作物はクオリティが低くてもネガティブな印象を与えにくいです。例えばイラストが描けるプランナー、デザインセンスがあるプログラマー、作曲経験のある3DCGモデラーのように、本職以外の部分でサブウェポンとなる器用さや行動力があるとポテンシャルを期待されるでしょう。内容や制作意図の説明は必ずするようにしましょう。
2. 業務と関係のないアルバイト

ゲーム開発と関係のないアルバイト経験を書く必要はありません。そこから得た学びがあるとしても、応募すれば誰でもできる仕事、特別な技術や知識を必要としない業務であることがほとんどです。採用側に興味を持ってもらえる可能性は低く、むしろ不要な情報=ノイズになります。

また、ごく短期間での職歴(短期離職や一時的な業務委託など)に関しては、記載はすべきですが深堀りする必要はないといえます。簡潔にまとめましょう。資料のスペースは採用側にアピールできる経験やスキルに使うべきです。

3. 内容の薄い志望動機・自己PR

少し本筋から外れますが、応募企業に響かないPRも書くのを控えたり、別の切り口で表現したほうがいいでしょう。

・「ゲームが好き」「チームでのコミュニケーションを大事にしている」「締切を守るように努めている」といった、ゲーム開発者にとっては当たり前といえる動機
・「今までの職場では頑張りが評価されてきた」「成果を褒められた」といった主観的で検証しようがない実績
・汎用的すぎて誰でも書けるような内容、応募企業に響かないPR


誰でも書けるような志望動機や、真偽を確かめようがない自己PRは読み飛ばされてしまう可能性が高いです。実績や数字に基づいた自己PRや、どんな貢献ができるか・したいかといった応募先の業務を意識した具体的なメッセージを意識しましょう。

ゲーム業界での転職活動におけるAIの活用法:AI活用に向いた要素とそうではない要素の違いでも触れましたが、AIに文章生成を任せきりだと中身の薄い文章になりがちです。AIに情報を指示する際、元となる情報が不足していると誰にでも通用するような言い回しを使い、一見それらしい文章にしてしまうためです。指示・監修するのはあくまで書き手であることを心得ておきましょう。

まとめ:本業以外の要素は「自主性・継続力・発信力・行動力」を伝える要素

本業以外での個人制作・個人活動は、単に内容を見せるだけでなく、 制作意図や補足説明、参考URLとともにわかりやすく伝えましょう。 ゲームに限らず、創作活動や受賞経験が魅力に繋がって面接で会話が弾むことも。

今すぐ転職を考えていない方でも、趣味や自己研鑽の延長でのちょっとした活動が良い縁を生むかもしれません。できることから始めてみましょう!