「この先、転職するかも…」日頃から考えておくべきポイントを解説 | ニダンジャンプ

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「この先、転職するかも…」日頃から考えておくべきポイントを解説

ゲーム業界で転職を考える際、よく相談されるのが「現職のプロジェクトが一区切りついたタイミングで転職した方がよいのか?」というものです。プロジェクトの佳境で途中抜けするのは気が引ける、と遠慮しているうちにズルズルと忙しさが続いて消耗してしまうケースも。

また、転職するとしてマスターアップやリリースのどのくらい前から準備するべきか、入社タイミングの交渉は可能かといった相談を受けることもあります。

「この先、転職するかも」そんな方に向けて、日頃から考えておくべきポイントや転職のタイミングについて解説します!

染谷翔|株式会社ニダンジャンプ キャリアアドバイザー
ゲーム開発業界でプランナーとして勤務した後、自転車世界一周旅行のブロガーとして数年間活動。帰国後にUnity JapanでUnite Tokyoをはじめとする各種イベント業務のディレクションや運営、Unityユースクリエイターカップ(旧インターハイ)の企画立ち上げや運営等に携わる。2023年に株式会社ニダンジャンプ創設に関わりWebサイトを立ち上げ、サイト運営、求職者の転職サポート等で活動中。

日頃から考えておくべきポイントの数々

求人市場は日々、変動している

企業からの求人は、例えるなら物件探しのようなもの。自分にマッチする条件の会社・職種の求人がいつもあるとは限りません。時間を置くことで良い求人が発生する可能性はありますが、日頃からそれとなく調べておくことで、いざ条件の良い求人が回ってきたときに「どのくらいレアなのか」を判断しやすくなります。

直近の参加プロジェクト名を資料に書けるか

中途採用の現場では直近の業務がまず注目されます。未発表のタイトルだとどんなゲームの開発で、何を担当していたかを伝えるのが難しくなります。情報解禁日が数ヶ月先くらい目前に迫っているなら、それを目安に転職資料の作成を準備するのもいいでしょう。

自分のキャリアにとって武器になる実績が変化するか?

その「区切り目」まで業務を続けることで担当業務の実績が変化するかを考えましょう。目標の達成や完成に繋がらないのであれば、区切り目を待つ意味は薄くなります。

プロジェクトが頓挫する可能性

開発に参加しているPJが様々な事情で開発中止になることがあります。一般的には中止となったタイトルの詳細は口外できませんし、実績としても伝えにくいものとなります。

リリースしたタイトルが失敗したら?

開発終盤のデスマーチを越えて何とかリリース!しかし泣かず飛ばずの結果に終わってしまう、そんな残念な結果を突きつけられる可能性もあります。しかし、ビジネスとしての評価と1スタッフとしての評価が直結するケースは少ないです。わかりやすい例で言えば、ゲームそのものの評判は悪くてもグラフィックの出来が良ければアーティスト職の方のキャリアに傷は付かないでしょう。

ゲーム業界の中途採用が活発化する時期は決まっていない

求人情報はプロジェクトの状況に合わせて公開やクローズを繰り返しているため、年度末など特定の時期を待つ意味はあまりありません。

職務経歴書やポートフォリオを準備するのは時間がかかる

履歴書は別として、職務経歴書やポートフォリオは作成するのに手間がかかります。試しに応募して手応えを掴むにも資料がなくては話が始まりません。また、「本命の求人」が出てきたときに万全の資料ですぐに応募できるとは限らないのです。

6ヶ月後に転職したいなら今すぐ準備に取り掛かるべき

色々なポイントを列挙しましたが、具体的に転職準備の開始から採用決定までどのくらいかかるのでしょうか?

ゲーム業界で「半年後に新しい環境に移りたい」と考えたとき、採用選考や入社までの流れを踏まえると、6ヶ月後の転職を実現するには今すぐ準備を始めるのが正解です。転職準備の一般的な流れを時系列で書き出してみました。

6〜5ヶ月前:自己分析と情報収集
自分のスキルや経歴の棚卸し。それに対してマッチする求人がどのくらいあるか、魅力的な会社がないかを調査し、市場動向を把握しましょう。

5〜4ヶ月前:職務経歴書、ポートフォリオの作成
WordやGoogleドキュメントでテンプレートを取得して作成スタート。ポートフォリオはアーティスト/デザイナー職に限らず、業務実績をスライドにまとめたり、アピールできる企画書や個人制作物を準備することを推奨します。時間がかかるため早めに着手したほうがいいでしょう。

4〜2ヶ月前:応募・書類選考・面接
書類選考から面接、内定まで最低でも1ヶ月はかかると考えていいでしょう。不採用になることを考えると、1社ずつではなく複数社に同時に応募する方が効率的です。いずれにしても時間がかかり、また不採用を繰り返すと精神的にも消耗します。

2~1ヶ月前:内定・退職交渉
順調に採用が決まったとして、ゲーム開発の現場では引き継ぎ期間を求められることも多いです。休みの消化も考えるとできれば1〜2ヶ月は余裕を見た方がいいでしょう。

1ヶ月前〜:引き継ぎや引越し
現職での区切りを整え、次の職場へのスムーズな移行を目指します。実際には応募から採用までトントン拍子に決まることの方が稀であり、不採用が続いてしまうことも。マージンを取る意味でも余裕を持った方がいいでしょう。


いかがでしょうか。こうして書き出してみると半年くらいでもちょっと足りないかもしれません。

実際に書類制作にかかる時間だけで言えば、1~2週間あればできる(はず)なのですが、仕事や生活の片手間で準備するのは意外と大変で「めんどくさい」ものです。明確な締め切りが決まっていないため、ズルズルと先延ばしにしてしまう方も多いでしょう。

基本的に中途採用への応募は1社につき1回行ったら、最低1年は間を空けないと受け付けてもらえないことが多いです。半端な資料を数撃ちゃ当たるで出しまくるより、資料の完成度を上げてからアクションを起こすべきといえます。

入社時期はどこまで交渉できる?

日本の転職市場では「内定後1〜2ヶ月で入社」が一般的です。現職での引き継ぎを考慮した現実的な条件になります。

「内定後3ヶ月程度」なら調整可能なこともあります。大型タイトルの開発や受注スケジュール、直近のプロジェクトが落ち着いた後など、採用側が長期的な人員計画を立てている場合には交渉できる場合があります。

「内定後4ヶ月以上先」といった長期調整は基本的に難しく、内定自体が取り消されるリスクがあります。

いずれにしてもケースバイケースなので、面接で「いつから働ける?」と確認されることが多いと思います。そこまで話が進んでいる時点で採用の見込みがある状態なので、まずは理由とともに希望を伝えましょう。「プロジェクトの区切り目まで責任を果たしたい」「◯月末までに退職手続きを完了させ、◯月から勤務可能」など、具体的な理由や時期を明確に示すことが大切です。内定先がどうしても早期入社を求めるなら、逆に現職の会社に交渉するのも変ではありません。

まとめ:転職の準備は思っている以上に時間がかかる

転職は応募・面接・採用とトントン拍子に決まることは稀です。自分にマッチする転職市場のリサーチ、資料の制作、不採用となった場合の仕切り直しなど、イチから始めると何ヶ月もかかるのが普通です。

また「現職の区切り目に転職する」のが理想的ですが、必ずしもベストな選択とは限りません。市場の動きや自分の健康、将来のキャリアプランを天秤にかけたうえで柔軟に判断することが重要です。