詳細が全くわからない実績は存在しないも同じ!守秘義務に配慮した転職資料作成のTips 4選 | ニダンジャンプ

インタビュー&転職Tips 転職や仕事探しの参考となるインタビューやTipsをお届けします。

  • facebook
  • X(旧Twitter)

詳細が全くわからない実績は存在しないも同じ!守秘義務に配慮した転職資料作成のTips 4選

ゲーム開発の現場に守秘義務やNDA(秘密保持契約)は付き物です。未発表タイトルや開発中止となったタイトルの業務内容や成果物は、転職活動で自由に公開することはできません。しかしプロジェクト内容を完全に伏せて書類に落とし込むと、何の実績も評価されず、結果として書類審査で不採用を受け続けてしまうケースはよくみられます。

今回は、そうした状況でも自分の経験をうまく伝えるための実践的な方法を4つご紹介します。

染谷翔|株式会社ニダンジャンプ キャリアアドバイザー
ゲーム開発業界でプランナーとして勤務した後、自転車世界一周旅行のブロガーとして数年間活動。帰国後にUnity JapanでUnite Tokyoをはじめとする各種イベント業務のディレクションや運営、Unityユースクリエイターカップ(旧インターハイ)の企画立ち上げや運営等に携わる。2023年に株式会社ニダンジャンプ創設に関わりWebサイトを立ち上げ、サイト運営、求職者の転職サポート等で活動中。

1. 公開可能な範囲で実績を「ぼかして」表現する

情報が特定されない範囲で、汎用的な言葉を使ってどんなゲームだったのかを説明しましょう。

例:
・大手ゲームパブリッシャーがクライアントの家庭用ゲーム機向けAAAタイトルの背景モデリング(人工物、建物等)を担当

・スマートフォン向けソーシャルゲーム(戦略SLG系、セルルックなグラフィック)にて描画最適化およびカメラ制御システムの実装を担当

・ブラウザベースのソーシャルゲーム(PC)にて、デフォルメされた3DCGキャラモデリング(3頭身)やLive2Dのモーション制作を担当

タイトル名や会社名を明かさずにジャンル・プラットフォーム・担当範囲を明示することで、どんなプロジェクトに携わったのかを伝えることができます。

ゲーム業界で守秘義務があることは常識であり、採用側もそれは理解しています。採用側が知りたいのは過去のプロジェクトの内部情報ではなく、技術的な経験や課題解決の実績です。

2. 守秘義務に配慮したポートフォリオを制作する

自由に使える完全個人制作のポートフォリオを作るのは手間がかかりますが、公開できない本業の仕事と全く関連のないものに時間をかけるのは損です。どうせ時間をかけるなら、以下の点を考えて作りましょう。

・業務で得た知識やスキルをもとに、業務内容と類似の表現や仕様を再現した自主制作作品や資料を作る

・仕事で制作したアセットをイラストや文章で紹介する(※すでに該当タイトルが公開されている場合)

・イラストや図、文章で技術的な解説資料をまとめる

グラフィックやサウンドに関する実績や成果であれば「3Dアクションゲームでこのようなキャラクターやプロップ、UI、サウンドを制作しました」といった形で、本物とは違うものの同系統のデザインのイラストや図、音源や、同じジャンルの別のゲームの動画などを使って説明してみましょう。自主制作と実績を関連づけると説得力が増します。

プログラマーであれば使用したゲームエンジンや言語だけでなく、技術用語や機能、ツール名などを使い、ゲームタイトルが想起されない形で業務内容を説明しましょう。

3. 公式に公開されている素材(YouTube・公式サイトなど)を引用して担当範囲を説明する

守秘義務のある案件でも、公式に公開されている情報(トレーラー、プレイ動画、公式サイト等)は公知の情報として機密情報には該当しないので引用可能であるケースがほとんどです。

・YouTubeの公式トレーラーやプレイ動画を貼り、「1分45秒~1分55秒のカットでシーン制作やサウンドを担当」といった形で説明。

・公式サイトのスクリーンショットやゲーム紹介を用いて作業担当箇所を説明

すでに発表・公開されている画像や動画であれば、引用は著作権法で認められた範囲で許容されます。具体的な条件や出典元の記載方法を調べて作成しましょう。この手法はポートフォリオ制作で、本業のデータをそのまま使えない場合にも有効です。

YouTubeの動画は、特定の時間から再生されるリンクを生成することで担当シーンをピンポイントで伝えることができます。

1. YouTubeで動画を開く
2. 該当シーンの再生位置で一時停止
3. 動画プレイヤー下の「共有」ボタンをクリック
4. 「開始位置」にチェックを入れ、指定された時間を確認
5. 表示されたリンクをコピーを生成(例: https://youtu.be/xxxxx?t=105 )

4. 「技術用語や業界用語」を織り交ぜて説明する

機能やツール名、専門的な技術用語を織り交ぜて書くことで、スキルや技術習熟レベルの度合いを示したり、経歴に説得力を持たせることができます。

例:
・Unity Shader Graphを用いた軽量なエフェクト設計の経験があります

・UE5のNaniteやLumenを活かした背景やランドスケープの制作、調整を担当

・低スペック端末向けにZバッファの最適化、透過オブジェクトの制限によるOverdraw低減、オクルージョンカリングのチューニングなどを行い、GPUリソースの消費を抑制

まとめ:守秘義務に配慮して自分の実績を説明する努力をしよう

守秘義務があって実績をストレートに伝えられない場合でも、工夫次第で経験をアピールすることは可能です。実績をぼかして伝えるほか、守秘義務に配慮しつつ効率よくポートフォリオを用意することも大切です。動画やWebサイトを引用したり、「技術用語や業界用語」を織り交ぜて説明することも考えてみてください!