ゲーム業界への転職を成功に導く!職務経歴書の書き方:職務要約編 | ニダンジャンプ

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ゲーム業界への転職を成功に導く!職務経歴書の書き方:職務要約編

ゲーム業界での転職でもっとも重視される書類の1つである「職務経歴書」。魅力的なポートフォリオも大切ですが、それと同じくらい職務経歴書の内容が書類審査の合否を左右します。職務経歴書の最初に記載する「職務要約」は、採用担当者が最初に読むパートです。おおよそ4〜6行ほどの文章ですが、これが魅力的かどうかで経歴の詳細や他の資料を読んでもらえる確率がぐっと上がります。職種によって書くべきポイントは異なりますが、共通する重要なコツと注意点をご紹介します!

染谷翔|株式会社ニダンジャンプ キャリアアドバイザー
ゲーム開発業界でプランナーとして勤務した後、自転車世界一周旅行のブロガーとして数年間活動。帰国後にUnity JapanでUnite Tokyoをはじめとする各種イベント業務のディレクションや運営、Unityユースクリエイターカップ(旧インターハイ)の企画立ち上げや運営等に携わる。2023年に株式会社ニダンジャンプ創設に関わりWebサイトを立ち上げ、サイト運営、求職者の転職サポート等で活動中。

「職務要約」を読む10秒で合否が判断される

職務経歴書の冒頭の書き出しとなる職務要約は「この人をもっと知りたい」と思わせる導入文です。採用担当者は求職者全員の経歴をじっくり読む時間はありません。まず職務要約で全体像を把握し「面接に呼ぶかどうか」を瞬時に判断します。合否を判断するまで10秒もかからないことも珍しくありません。

「自分の強みをわかりやすく相手に伝える技術」を見られているともいえます。読んでもらえる時間は10秒!この一瞬で「イイ」と思ってもらわないことには、後に続く経歴の詳細を読んでもらえる可能性は低いと考えましょう。ですから、職務経歴書の冒頭で相手に刺さらない自己紹介やノイズとなる情報を長々と書いているヒマはありません。

職務要約の役割は“あなたの魅力を伝えること”

職務要約を自身のプロフィールと捉えて書き出すケースがよくありますが、これは間違いです。職務要約の最大の役割は読み手(採用担当者)にあなたの人材としての魅力をコンパクトに伝えることです。

まずは求人に書かれた業務内容・応募資格と、自分の経験・スキルを照らし合わせ、重なる部分を洗い出しましょう。

重なる部分が多ければ多いほど、採用目線では評価が上がります。逆に、関係のない情報は評価の対象とならないばかりか、ノイズや文章ボリュームが多くなってしまい、アピールしたい要素がぼやけてしまいます。書き出す情報は取捨選択しましょう。

職務要約のBefore → Afterの例

では、具体的に書き出す時のポイントを例を出して整理していきましょう。まずは良くない記載例をご紹介します。

職務要約
◯◯専門学校の3DCG科を卒業後、新卒で入社した会社でスマートフォン向けゲームを中心にCG制作に関わってきました。キャラクターや背景などの3D制作に対応し、BlenderやMayaを使って業務に取り組んできました。

具体的には敵キャラクター、ステージ背景、プロップ(小物類)など、さまざまなジャンルのCG制作を幅広く経験した実績があります。案件ごとにやることが変わるので毎回学びがあり、複数のプロジェクトに関われたことはとても良い経験になりました。業務ではチームメンバーと連携して、スケジュールを守って作業することを意識しています。

特に印象に残っているのはフォトリアルなアクション系のゲームで、リアルなCG表現が求められたことです。クオリティを上げるために日々工夫しながら作業し、都度フィードバックをもらいながら修正していきました。今後はさらに自分のスキルを高めるために、必要に応じてエフェクトやシェーダーなどにも挑戦していければと考えています。今までやってきたことを活かしつつ、新しい表現にも対応できるように努力していきたいです。

一見、誠実に書かれた内容ですが、採用目線で見ると良くない点が散見されます。ここは心を鬼にして、ツッコミを入れていきましょう…!

1. 抽象的で内容が薄い
・新卒で入社した会社でスマートフォン向けゲームを中心にCG制作に関わってきました。
・案件ごとにやることが変わるので毎回学びがあり、複数のプロジェクトに関われたことはとても良い経験になりました。

具体的なタイトル名が書かれておらず、経験の深いプラットフォームやジャンル、ゲームの世界観もわからないので得意分野がつかみにくい。どんな「学び」があり、何が「良い経験」だったのかがわからない。

2. スキルが不明確

・キャラクターや背景などの3D制作に対応し、BlenderやMayaを使って業務に取り組んできました。

使用ツールは書かれているものの、説明が漠然としている。

3. 実績・成果が書かれていない

・敵キャラクター、ステージ背景、プロップ(小物類)など、さまざまなジャンルのCG制作を幅広く経験した実績があります。

「色々やってきた」以上の情報が読み取れない。何をどのくらい制作したのか、どういうこだわりがあるのかがわからない。アピールできる定量的な実績が書かれていない。

4. 今後の志向が抽象的

・今後はさらに自分のスキルを高めるために、必要に応じてエフェクトやシェーダーなどにも挑戦していければと考えています。
・今までやってきたことを活かしつつ、新しい表現にも対応できるように努力していきたいです。

説明が漠然としていて「とりあえず頑張る」以上の情報が読み取れない。どうなりたいか、どんな環境やプロジェクトに貢献していきたいかがわからない。

5. 重要ではない要素や、開発者なら当たり前のノイズとなる情報が多い

・◯◯専門学校の3DCG科を卒業後、
・案件ごとにやることが変わるので毎回学びがあり、複数のプロジェクトに関われたことはとても良い経験になりました。
・業務ではチームメンバーと連携して、スケジュールを守って作業することを意識しています。
・クオリティを上げるために日々工夫しながら作業し、都度フィードバックをもらいながら修正していきました。

3DCGモデラーの業務経験がすでにあるのだから、3DCG科を卒業したという情報は書くだけ無駄。「学びがあった」「良い経験ができた」「スケジュールを守ることを意識している」「日々工夫している」などは一般的な開発スタッフであれば普通のことであり、主観的な感想や心がけ。客観的な経歴を求められているスペースの中で、文字数が増えてノイズになってしまっている。

それでは、上の文章を適切な形に推敲・調整してみましょう。

1. 職種と経験年数を明示する
まずは「何の職種で何年やってきたのか」を一言で明確に。

例:キャラクターおよび背景3DCGアーティストとして、スマートフォンゲームを中心に5年以上の開発経験があります。

2. 関わったプロジェクトの特徴を簡潔に記載

「ジャンル」「規模」「プラットフォーム」などでどんな経験を積んできたか伝えましょう。関わりの深かったタイトルを抜粋して記載するのも効果的です。

例:『課金戦士ガチャブレイカーZ』『アイアンミラージュ・リバース』などの3Dアクション系のタイトルにて、主にMayaによるキャラや背景モデリングからUnityへの組み込みまで一貫して担当。

3. 専門性・強みを一言で伝える

「自分の得意分野」を端的に伝えると、採用側が自社求人への適性や相性を判断しやすくなります。

例:セルルックのキャラモデル作成とリアル寄りな背景やオブジェクト表現、最適化を意識した軽量設計を強みとしています。

4. 具体的な情報や数字で実績を書くと説得力UP

具体的な情報や客観的な数字を入れると説得力を出すことができます。

例:『アイアンミラージュ・リバース』ではNPCキャラ3体、敵キャラ(人型の敵やモンスター)15体と草原、西洋の城、洞窟などのステージ背景や30以上のプロップ制作を担当し、プロジェクトに貢献しました。

5. 今後やりたいことや志向を加えると前向きな印象に

将来のキャリアパスが見えると、チームにフィットするかを判断しやすくなります。

例:今後はシェーダーやエフェクト作成にもスキルを広げ、アート全般の表現の幅を広げるとともに、主にUnityでのセルルック表現の技術を磨いていきたいと考えています。


わかりやすい職務要約の例
職務要約
キャラクターおよび背景3DCGアーティストとして、スマートフォンゲームを中心に5年以上の開発経験があります。『課金戦士ガチャブレイカーZ』『アイアンミラージュ・リバース』などの3Dアクション系のタイトルにて、主にMayaによるキャラや背景モデリングからUnityへの組み込みまで一貫して担当。セルルックのキャラモデル作成とリアル寄りな背景やオブジェクト表現、最適化を意識した軽量設計を強みとしています。

『アイアンミラージュ・リバース』ではNPCキャラ3体、敵キャラ(人型の敵やモンスター)15体と草原、西洋の城、洞窟などのステージ背景や30以上のプロップ制作を担当し、プロジェクトに貢献しました。今後はシェーダーやエフェクト作成にもスキルを広げ、アート全般の表現の幅を広げるとともに、主にUnityでのセルルック表現の技術を磨いていきたいと考えています。



いかがでしょうか?調整前の文面と比べ、採用目線で見たときに書類審査で評価しやすい内容になっているかと思います。細かい経歴やスキルセット、自己PRにも目を通してもらえる可能性は高くなるでしょう。

逆に言えば、実力や経験が伴っていても職務要約がわかりにくいと書類審査落ちになることもあるのです。自分のスキルや細かい実績に注目してもらいたいクリエイターとしてはちょっと納得がいかない気持ちもありますが、採用側からの問いかけに対し、スマートに自身の強みを資料化できる地頭の良さ、コミュニケーション能力を問われていると考えましょう。

求人に対し、手を挙げるだけの資格や経験を持っていることを的確にアピールする。職務経歴書に求められる最初の一歩です。

職務要約を書くときの3つの注意点

1. 短すぎず、長すぎない
採用担当者がひと目で読める分量に抑える(目安として300文字前後)。

2. 抽象的な表現を避け、具体的な表現を意識する
×「さまざまな業務を担当」→ ○「モデリングと一部のシェーダー設定、描画負荷軽減の最適化を担当」

3. 志望動機や熱意のアピールとは混同しない
職務要約は過去と現在の要約です。志望動機や主観的な熱意、やる気のアピールは控えましょう。

まとめ:職務要約で興味を持つかどうかが判断の分かれ目

優秀なスキルや経歴があっても、自分の経歴をわかりやすく、的確に言語化できなければ採用担当者の印象は悪いものとなってしまいます。応募先の求人に対する自分の強みを整理し、採用担当者が「詳しく知りたい!」と思えるような魅力的な導入文を意識して職務要約を構成しましょう。